2010年3月8日月曜日

アルコール離脱症候群(Alcohol withdrawal syndrome)

<症状>
振戦
 早期に出現。
 高血圧、頻脈、不安を伴う。意識障害がないのが特徴的。
離脱痙攣
 早期に出現。
 単純発作が多い。
幻覚
 早期に出現。
 自律神経障害がない。
振戦譫妄(Delirium Tremens)
 後期に出現。
 せん妄と自律神経障害があるのが特徴的。

<病歴>
飲酒パターン、離脱症候群の既往、アルコールを止めた理由を聴取

<身体所見>
バイタル、意識障害、振戦の有無
外傷の検索
腹部所見(SBPの検索)
他に慢性アルコール摂取による合併症の検索

<検査>
離脱症候群を診断するための決定的な検査はない。
補助的に使うものとしては
 エタノール血中濃度、CSF、頭部CT

<重症度評価>
CIWA scoreがある。項目は
①嘔気、嘔吐
②振戦
③汗
④不安
⑤不穏
⑥感覚障害
⑦聴覚障害
⑧視覚障害
⑨頭部緊満感、頭痛
⑩見当識障害

<治療>
BZO
 全てのアルコール離脱症候群で1st choiceの治療薬
 ほとんどの患者で最初は静注を要する
 Ex)ジアゼパム 5-10mg iv 5-10minおきに投与 or ロラゼパム(日本に静注薬なし)
 最大で48時間で2000mg以上必要なこともある!?
 安定していて症状も軽度であれば経口でもOK
Barbiturates
 高用量のBZOが必要な場合は併用で相乗効果がある
 Ex)フェノバルビタール 130-260mg iv 15-20分おきに投与
→挿管が必要な場合が多い、Barbituratesが必要な場合はICUへ
2つに抵抗性ならばPropofolが適している

支持療法
 適正な輸液、電解質補正
 Vit B1(100mg/日)とブドウ糖
 マルチビタミン供給
 適正なカロリー投与
 →要はしっかりとカロリー投与と電解質補正(ビタミン忘れずに)

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