2010年1月26日火曜日

喘息発作が最近多いです

喘息発作の治療について簡単にまとめました。ただし成人です。

β刺激薬吸入…SABA(アルブテロールなど)の吸入。20分ごとに3回。その後は1~4時間ごとに吸入。
スペーサー付きMDIの方が、ネブライザに比べて効果が高い。

抗コリン薬吸入…重症の喘息発作時の救急外来での治療でイプラトロニウムの吸入を加えることが推奨されている。500μgを20分ごとに3回。
β刺激薬と併せて使用するとより気管支拡張作用が強い。
 Expert Panel of the National Asthma Education and Prevention Program (Expert Panel Report III)より

ステロイド…気管支拡張薬を使ってもWheezeや息切れが残る場合に投与。症状の改善を早くする。効くまでに時間がかかるがガイドラインでは中等度~重症では早期のステロイド投与を推奨。
適正な投与量はまだ不明。PSL換算で40-60mg/日が通常投与量。静注と経口ではあまり差はない。
静注でもmPSL 40~60mg 12時間毎と60~125mg 6~8時間毎では差はなく、初期投与量を500mgに増やしても差はでなかった。
適正な投与期間は患者と重傷度によって変わる。おおざっぱだと入院加療を要するような最重症で10~14日間の治療を要する。
3週間以内で吸入ステロイドも使用していればステロイドのテーパリングは通常不要。

硫酸Mg…硫酸Mg静注(2gを20分かけて)は気道の平滑筋を弛緩させるため気管支拡張作用がある。通常のβ吸入やステロイド投与でも改善ないようなら考慮。
2つのSystematic reviewではSubgroup解析で重症患者では効果あり。

非標準的治療…ヘリウム・酸素混合ガスは呼吸仕事量を軽減させ換気を改善させる。しかし否定的な報告もあり十分なエビデンスなし。
ロイコトリエン拮抗薬は慢性期管理の治療薬としては確立されてはいるが、急性期治療における役割は不明。

*メチルキサンチン…テオフィリン・アミノフィリンなどの気管支拡張薬は推奨されない。β刺激薬に追加して投与しても気管支拡張作用は増強されない。

*吸入ステロイド…いくつかの報告では高容量の吸入ステロイド投与は経口と同等とのこと。しかしメタ解析では否定的。

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