2010年1月27日水曜日

プロカルシトニンと抗菌薬投与

MD consultのCritical CareのNewsで
Use of biomarker reduced antibiotic exposure in ICU patients
なる記事が出ていました。
 
プロカルシトニンの話です。
P:ICU入室した敗血症患者
E:プロカルシトニンを用いて抗菌薬の投与期間を決定する
C:従来どおりの投与期間
O:有害事象を増やさずに抗菌薬の投与期間を短縮できる
といった主旨の論文がLancetからインターネット上ででたそうです。(doi:10.1016/S0140-6736(09)61879-1).
 
以前 Am J Respir Crit Care Med 2008, 177: 498–505でも同様の論文がありました。
その論文では登録症例数が少なかったのですが、その後PRORATA studyなる他施設研究が進行していることは知っていました。
今回の論文がPRORATA studyみたいです。
 
multicenter, prospective, open-labelの研究でフランスからの発表でした。
一次エンドポイントは28日・60日での死亡率で優位差はありませんでした。(the procalcitonin group was 21.2%, 30%, compared with 20.4% ,26.1%)
28日までに抗菌薬投与なしの期間は14.3日 vs 11.6日と優位に投与期間の短縮が見られました。
 
母集団の感染症は40%が敗血症性ショックで2/3が人工呼吸を要しています。
 
今回のStudyでは耐性化などの部分では触れられていませんでしたが、おそらく多剤耐性化の進行は従来よりもすくなるなるのでしょう。
これからはプロカルシトニンが感染症の診断だけでなく治療の指標にもなっていくのでしょうか。
今後のガイドラインの動向が気になります。

追記です。
除外項目の中にinfective endocarditis, osteoarticular infections, anterior mediastinitis after cardiac surgery, hepatic or cerebral abscesses, chronic prostatitis, or infection with Mycobacterium tuberculosis, Pneumocystis jirovecii, or Toxoplasma gondiiなどが含まれています。
やはり感染症はFocus探しが重要なのは変わらずですね。

0 件のコメント:

コメントを投稿