2010年2月5日金曜日

心房細動によるアブレーション治療後の再発

Af患者の治療のゴールの基本は脳卒中リスクの軽減と症状の緩和です。
脳卒中リスクの軽減のためにはほとんどの患者でワーファリンが推奨されます。

症状コントロールのためには①リズムコントロール もしくは ②レートコントロールです。

その中でカテーテル・アブレーションの治療を行う方もいます。
アブレーション後のAfの再発による心原性脳塞栓症を経験しました。循環器は専門ではないのですが、こういった症例を経験するとAfのアブレーション後の再発率なども知っておいた方がいいのかなと思い、調べてみました。

【Afに対するカテーテル・アブレーション後の再発】
早期再発と後期再発、そして心房粗動への移行が起こりえる。

早期再発…治療後2~3週間以内に起こる事が多い。110人の患者で35%が2週間以内に再発したという報告がある。
さらに7%が2~4週間で、3%が1~2ヶ月で再発する。
しかしこの中の1/3が7ヶ月の時点ではAfは無くなるみたい。

つまり、早期再発は一過性の現象の可能性がある。アブレーション後の無菌性心外膜炎、肺静脈伝導の復活、アブレーションによる催不整脈作用によるものと思われる。
結果としてこういった患者では再治療のまえに2~3ヶ月の短期の抗不整脈薬投与も妥当。

後期再発…報告によって再発率は異なる。例を挙げると
 ・10~12ヶ月で15%程度
 ・3年で22%程度
リスクは高血圧や心疾患の合併、左房拡大、高齢、Persistent Afなどです。
やはりUpstream therapyが重要なんですね。

再発の発見のためにはほとんどの研究では患者の症状、連続心電図、Holter心電図で行われています。
無症候性Afの可能性もあるので過小評価になる可能性はあります。

心房粗動…新しいリエントリーの形成によって非定型の心房粗動が起こりえる。これらは左房内の瘢痕周囲で形成される。
通常の右房原性の心房粗動よりもアブレーションによる治療が行いにくい。

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